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2017年 9月  第211回山行記録


 

上高地から徳本峠超え                              


                                                         

実施日:平成29年9月3日(日)~4日(月)  天候:晴
参加者:Aコース(峠越え)8名 男性:5名 女性:3名
    Bコース(上高地散策) 男性4名
 担当リーダー:小笠原  Sリーダー:阿部  レポート:小笠原
 

 
Aコース 報告

 <1日目> 「山への誘い」岳人たちにとって上高地という名前はそ

を聞いただけで様々な思いをはせてくれる場所だと思う。今回の山

行も様々な人の思いを胸に高ぶる感情がある。山が誘ってくれる…。
 今回の山行は上高地散策組のBクラス、失礼Bコ-スの協力なしには

実現が難しかった。改めて4人に感謝申し上げたい。そして日本山岳会

のN氏に。

 7:00予定通り静岡駅出発。休憩をしながら松本IC10:40通過。

途中コンビニに寄りBコ-スの夜のお伴を仕入れ(あくまでもお酒です)

る。

 11:30沢渡に着いて昼食。事前のLの連絡不足でおにぎり等で済ま

す方もいた、とりあえず主に男性は「そば そまの屋」へ。ここで一

つ失敗。皆さんはそばを頼んだがかつ丼が美味しそうだったのでLは

頼む、しかし一向に出てこなくそば組は食べ終わっている。女性たち

が遅いなと言いながら店頭で待っている、無言のプレッシャーを感じ

かつ丼をビールで流し込む、美味しかったのに食べた気がしなかった。

 結局12:20発。釜トンネルをくぐり、昔ここで冬に寝たっけなあ

と思い出し、いよいよ上高地へ。途中大正池にも寄り記念撮影、焼岳

がきれいに見えていた。

 13:00到着。夏の終わりだというのに大変な賑わい、日曜のせい

でもあるのだろう。河童橋で記念撮影、日本山岳会の山岳研究所に寄

った。しゃれた山小屋だ。中を見せて貰い、建物の裏手にあるミニ水

力発電も見学。ここは蛇を飼っているのではないが戸袋に住み着いて

いる、今日は会えなくて良かった。管理人は動植物をこよなく愛して

る人だ。さてそこを14:40発今度はBコ-スの泊まるホテルへ、ここ

も全員で行く。

 途中岳沢の上はガスっていて展望はいま一つだった。隊列もなかな

か進まない、皆写真を撮ったりして上高地を堪能している。最も一日

目はこれで良いのだ。途中ウェストン碑に寄ったりしながら上高地温

泉ホテルへ、落ち着いたホテルだ。Aコ-スはここで別れ明神館へ向

かう。

 明神池、嘉門次小屋などを見学、17:00頃明神館着。愛想のない

明神館社長がいた。入ると迷路のようになっている。宿泊客もおおか

った夕食は岩魚の塩焼き、後は山のものといったところ。水が良いか

らか岩魚はうまかった。社長の話が始まる。話が終わると皆部屋に帰

ってしまう。ただ社長の話は興味深かった。お風呂も温泉ではないが

水が良いのかやさしい感じがした。ここにはペレットストーブがあり

そこで取りとめのない話をするがその瞬間瞬間とてもうれしい時がな

がれるように感じる。21:00消灯。


 

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           河童橋より雲に隠れた穂高を望む             
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大正池
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                     河童橋で                  
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日本山岳会の山岳研究所水力発電を見学
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ウェストン碑
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上高地ホテル前で。背後は霞沢岳
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焼岳
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明神池
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朝の明神岳
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嘉門次小屋
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徳本峠から穂高連峰
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徳本峠
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沢ぞいを下る
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無事下山。

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Bコース4人組の勇姿
 
 <2日目> 5:45ここでも愛想のない明神館社長が写真を撮ってい
た。明神岳のモルゲンロートを撮ったメンバーもいた。今日の上高地
の天気は晴れ。気をよくして出発。今日はとにかく歩くのみ。早朝で
登山者もまだ少ない。
 7:15最初は登りやすい林道を歩いていたがそうこうするうち水場
で一息いれる。トウヒやコメツガの中を登りながら振り返ると明神岳
が見える。次第に穂高も見えてくる。7:50徳本峠着。空は曇っては
いるが景色は素晴らしい。明神岳、穂高方面、表銀座方面みんな見え
る。ウェストンの見た景色だ。
 8:20徳本峠出発ここからは下りなのでと思っていたが、とにかく
長い。休憩をはさみながら島々谷南沢を歩く。岩魚留小屋で休憩と思
ってもなかなか現れない10:15漸くの思いで岩魚留小屋着。すれ違う
登山者も何組かいた。10:45岩魚留小屋発。ブナ、ツガの樹林を歩く。
ガレバの所も踏み跡がしっかりしているので難なく渡れた。
 三木秀綱公奥方の碑、炭焼がまの跡などを過ぎて、ここ迄来ると道
の途中に石垣がつまれていて先人達の苦労が偲ばれる。12:33ようや
くの思いで二股着。東電の取水口のある島々谷南沢、北沢の分岐だ。
ペース的にはここ迄グッド。12:45二股発。ここからは林道になって
いるが、まだまだ、ひたすら長い。昔島々谷迄岩魚釣りに通った時期
もあったが、記憶が曖昧でどこで釣ったか覚えていない。あやふやな
記憶とともに…。
 そんな中ようやく島々谷の集落が見えてきた。14:25島々谷入口の
看板着。今回はクラシックルートの逆を歩いたがそれにしてもタフで
ある、上高地からの長い道のりだった。安曇支所前でBコ-スのバスを
待ち、松本で汗を流し帰路へ。19:20清水駅着、19:50静岡駅着。
今回の山行は特に女性陣の健脚さがあり無事なしとげる事が出来た。
改めてメンバー全員に感謝申し上げたい。誘ってくれた山への感謝の
気持ちと共に。
(小笠原)


Bコース 報告
 今回の山行はSさんと図りカメラ行脚と決めていた。徳本峠越え8
名の精鋭に上高地温泉ホテルまで送って貰った我等Bグループ(Bク
ラスではない)4名は力強く手を振りながら宿営地に向う元気なAグ
ループの後姿に何か取残されたような気がしたのではないか、暫くは
何となくホテル周辺で時を過ごしてチェックイン。
 部屋に落ちつくと早速入浴、落ち着いた雰囲気の浴場、露天風呂に
ゆっくりと浸かり旅心に浸る。さっぱりとした後は梓の清流を凍らせ
たか輝くアイスロックに持ち込みのシングルモルトを注いで談論風発。
 政治、投資、ビットコイン、人の生き様、過っての山の思い出、家
族、人類、北朝鮮とホテルのレストランへ場所が替わっても話題は尽
きない。デイナー風に洒落たセットのホテル自慢の料理、アテンドの
女性は青森出身のすこぶる美人で愛想も良い、山が好きで上高地に職
を選んで7年とか、地酒も美味く大満足、結局テーブルを離れたのは
我らが最後の客だった。
 翌朝5時、Sさんと浴場へ。防水カメラを持ち込んで入浴シーンの
撮影。ネイチャーガイドの散策は興味深いが早めに切り上げて朝食。
大きな窓際に陣取って梓川越えに霞沢岳、三本槍、六百山を眺めなが
らブヒュフエの料理を楽しむ。10時チェックアウト。
 大正池を往復しようと梓川左岸の遊歩道を歩き出す。豊かな清流を
田代橋で渡ると深い森を抜けて木道の自然研究路、ツアー客、登山客、
カメラマン、外人と多くの人と行き交う。
 湿原が広がり始めると田代池。目前に穂高連峰の峰々が山裾から天
に向かって聳え立っている。中央縦に白く走るのは岳沢か。岳沢を挟
んで右は奥穂高を頭にどっしりと重畳、左側は西穂高に続く岩稜が険
しく厳しい。夢中でシャッターを切る。登山中に味わう山の景観と違
って時をかけてじっくり見る所為かちょっとした陽の光加減で山容の
変化がわかるような気がする。
 湿原、木道、深い森、樹間から時折見える穂高の峰々はその折の太
陽を受けて違った感銘を与えてくれる。森が切れて大きく開けると大
正池。正面に焼岳が聳え立ち、コバルトに染まる湖面にその影を揺ら
している。雲の影、太陽光線の微妙な変化が水面や山の景色を変える。
Sさんの指導を得て様々にシャッターを切ってみる。不思議だ、見る
たびに景色が光の変化を受けて微妙に変わっているのが感じられる。
大正池ホテルで昼食。正面に焼岳、コバルトの湖面に映る逆さ焼岳を
眺めながら生ビールで乾杯。いつの間にか焼岳山頂に白い一条の噴煙、
真っすぐと青い空に上がっている。  
 来た遊歩道をバスの待つターミナルへと向かう。同じような道、同
じような森と湿原、穂高連峰も同じながら往きの景色と違って見える。
ファインダーを覗く度に意識して山や川、湖面を見ていた為か。登山
の時とは違う風景との接し方を感じた、今回の山旅の大きな収穫だっ
た。北アルプスの峰々をその頂きを歩き回った往時を想いだしたがも
う無理か、これからはホラを交えての昔話を吹聴するだけになってし
まうのかとちょっと寂しい。樹間の先にゴールのターミナルが見えて
来た。頬に当る風は心持冷たい、上高地はもう秋。
仲間との絆をより強める楽しい山旅でした。有難うございました。
(佐藤)