2017年 8月 第210回山行記録
越後駒ヶ岳・平ヶ岳実施日:平成29年8月17日(木)~19日(土) 天候:雨、曇り参加者:14名 男性:8名 女性:6名 担当リーダー:大石 Sリーダー:大川 レポート:Kさん |
今回の山行は、新潟県の越後駒ヶ岳及び新潟県・群馬県の県境に位
置する平ケ岳に登る。両山とも日本百名山であるが、静岡からは遠い
上、歩行時間が長いロングコースとなっているので、個人ではなかな
か行きにくい山である。
【第一日目】8月17日(木)天候 曇り時々晴れ
台風の発生などは無いが湿った気流の影響で天気予報が芳しくない。
この先気にかかるが今日は高曇りである。8:00バス到着。8:40参
加者全員揃ったので出発。静岡インターから東名入り、圏央道を経て
関越道を進む。湯沢付近では目的の越後駒ヶ岳、平ケ岳は右手のはず
だが見えた人はどうか。
小出インターで高速を出て、道の駅で地酒調達の後、魚沼市銀山平
へ向かう。やがて道は狭くなり、暗いトンネルが幾つも連続し、何と
なく不安な気持ちになる。(20数キロとあとで聞いた)。
やがて奥只見湖が見え銀山平温泉へ。そして銀山平湖畔より集団移
転したという民宿などのログハウス集落に着き、今日、明日はそのう
ちの湖山荘という宿に泊まる。(15:12着)
さて入るなり宿の主人から、明日以降の登山計画について再検討の
提案あり。「今晩、明日は降雨が予想され、予定していた平ケ岳登山
ルートの徒渉ができない可能性があり、駒ヶ岳の登山を先行すること
が望ましい。また、それ以降の天気予報や宿の空き状況を考えると、
両山登るなら駒ケ岳は日帰りが望ましく、普通の登山者なら可能であ
る(一般的には殆どの人は上には泊まらない)。検討を。」というも
のであった。
よって夕食前に全員で協議の結果、両山登りたいので一番事情に詳
しい宿の主人の言う通り、駒ヶ岳日帰りで頑張ろうということになっ
た。
第二日目】8月18日(金)天候 雨のち晴れ
3:00 起床。朝食のおむすび弁当を食べる。
4:00 14人全員が乗り込んで宿の送迎バス出発。暗くて小雨が降っ
ているので気持ちも暗い。
4:20 登山口である枝折峠着。暗くて小雨が降っているのでカッパ
とヘッドライトを装着して出発。登りが続きカッパもきているので汗
が出る。4:40ころ薄明るくなる。
5:00 明神峠着。ここは銀山平から直接登って来て、反対側の駒ノ
湯へ下る銀の道との交差点であり、枝折大明神の祠があって緊急時に
は避難小屋(5~6人)として利用できるとのことである。
ここからは比較的なだらかな尾根道が続くことになり、これからい
く越後駒ヶ岳も遠くに見え始めた。雨も止み雲海が見えている。
間もなく雲は高いがまた雨が降り始めた。いくつかのピークを登り
下りして6:40 道行山分岐。ここから小倉山までは一旦下りになる
が道はぬかるみもある。雨は降ったり止んだりであるが雲海も見えて
いる。小倉山が前に見えてきたが標高はあまり上がっていない。
7:40 小倉山着。ここからも北側の駒ノ湯へ下れる分岐になって
いる。雨は降っているが越後駒が大分近づいてきた。ここからいよい
よ後半の上り。灌木隊の緩やかな登りが続き8:45百草ノ池に至る。
ここから徐々に急登となり、やがて露岩帯の急斜面となって、雨は
止んでいるが滑りやすく注意してゆっくり登る。高山植物も咲いては
いるが見る余裕もない。上り切って10:10 駒の小屋到着。ザック
は預けて低い笹の尾根道をそのまま頂上へ向かう。雪渓が少し見える
が頂上は霧に隠れている。
10:42 駒ヶ岳頂上。晴れていれば越後三山の八海山、中ノ岳を
はじめとして平ケ岳、燧ヶ岳、飯豊連峰、北アルプスまでも望まれる
ということだが今日は霧で展望は無い。集合写真を撮って早々に下山
する。
11:00 小屋に入り休憩、昼食をとる。上りで会った管理人さん
は親切である。11:20 雨の中、上りと同じルートで下山開始。
ほどなく急な岩場に差し掛かったとき雷鳴が轟き始めた。リーダーが
身体を伏せて低くするよう指導するが繰り返しきて恐怖を感じる。
下るに従い治まってきてホッとするが登山道には水が流れている。
小倉山を越えて道行山まで進んだところで14:15頃、リーダーが宿へ
迎えの連絡をとる。雨も上がって14:30頃から太陽も出た。南側に北
ノ又川を隔てた荒沢岳に日が当たり綺麗だが、暑くて長い道のりである。
とりあえずの明神峠がやけに長く感じる。
15:28 やっとのことで明神峠着。みんな疲れ切った様子である。
あと下り30分。最後の力を使って歩き出す。思えば今日の登山路で会っ
たのは朝方下る2名と、上りに我々を追い越して行った駒の小屋の管理
人さんだけであった。天候のせいもあると思うが…。
16:06 送迎バスの待つ登山口(枝折峠)着。バスに乗り込み
16:30頃宿に着いてやれやれ。参加者全員のすごい頑張りにより、
たいへんな道のり一人の落伍者もなく往復できました。皆さんお疲れ
様でした。 ↓三日目に続く
遠く望む越後駒 | ||||||||
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越後駒山頂(2003m | ||||||||
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【第三日目】8月19日(土)天候 曇り一時雨
3:00 起床。朝食のおむすびを無理やりほおばる今日も天気予報
は一日雨らしいが今のところ降っていない。
4:00 今日の参加者7名が乗り込み、暗い中、宿の送迎バスが出発。
30分程舗装道を走った後、一般車は通れない中ノ岐林道に入る。未舗
装のため腹の底まで振動が伝わるくらいに揺れ、消灯してあるが眠れ
はしない。見えないが車の徒渉も何度かあり、大雨の時は通行不可に
なるとのこと。
50分程走って5:20林道終点登山口に着く。明るくなって青空も少
し見えている。「昨日までの雨で山の水溜は限界になっているが今日
は大丈夫でしょう」という宿主人の言葉が少し力になる。送迎バスは
6~7時間後の下山までここで待つという。このルートは俗に皇太子ル
ートと呼ばれ、民宿宿泊者のみ送迎してくれるので鷹ノ巣登山口から
の一般ルートに比べ大幅な時間短縮になる。しかし大雨が降ると使え
なくなるのだ。
5:30 歩行出発。平が岳沢の転石の道を5分程進んで問題の徒渉地
点へ。増水時は流れるように大岩の間に架けられた板の上を慎重に渡る。
増水してはいるがまだ余裕があるため不安感はない。上空には非常時
用の一人乗り索道が渡されており、記念に乗ってみたいとの声も。道は
間もなく急登となって約40分、特徴ある檜の大木のもとで先行パーティ
ーに続き休憩朝食。空には雲が拡がってきた。緑の樹林の中の急登が続
き汗が出る。
7:30 頃急登が終わり少し緩やかな道となる。雲は高く、遠くの山
並みも見えている。やがて灌木帯となり、木道が始まる。
8:16 玉子石分岐着。広々とした湿地帯、お花畑になっておりすご
く気持ちがいい。左側の池ノ岳方面へ向かうが、周囲は緩やかな起伏の
お花畑と無数の池塘群で目を奪われるような山上の楽園だ。右手近くに
広く小高い台地状に平ケ岳が見える。木道上の足も弾み、写真撮影も忙
しい。
8:49 小坂を上った(池の岳)ところにある姫の池は最も大きくて
美しい。折り返して平ケ岳方面へ向かう。キャンプ場を過ぎ一旦下って
少し上り返しにかかったとき9:00過ぎ雨が降りだしたので雨具装着。
9:25 緩やかな地形になって平ケ岳頂上。灌木に囲まれた狭いとこ
ろに標柱と三角点があり集合写真を撮影。雨は降っているが木道に出て
急ぎ昼食をとることにする。9:40発。木道沿いの湿原は一体の花畑に
なっている。
10:12 玉子石着。玉子石は花崗岩が長年の風化により丸く削られ
たものが二つ重なったもので名物の奇岩となっている。その背後、頂上
直下の池塘群はいい景色となっている。
急ぎ集合写真を撮り、10:30下山開始。小雨は降ったり止んだりし
ているのでカッパは脱げない。暑いし下りは段差が結構大きく感じられ
てたいへんだったが、「昨日(越後駒)ほどではない」の評。
11:47 上り最初の休憩地点へ到着。あと少しだ。
12:18 登山口近くにあり寄るのを後回しにした光ゴケを見る。暗
い岩の隙間に鮮やかな蛍光色を放っていた。
12:30 送迎バスに着。天候は回復し、カッパ、靴を洗ってバスに
乗り込む。
※ 平ケ岳で見た高山植物(岩間さん提供)
アキノキリンソウ(黄)、ショウジョウバカマ(ピンク)、オオサクラ
ソウ(ピンク)イワショウブ(白)、登山道…キンリョウソウ
湿原…タラヤマリンドウ、シャクナゲ、クロマメノキ
12:43 バス発車。晴天の中他のメンバーが待つ銀山平の入浴施設
(白銀の湯)へ。
朝は暗くて見えなかったが、林道の所々で左手崖から大量の水が滝の
ように勢いよく道路へ流れ出て右手の平ケ岳沢へ流れ込んでいる。大雨
時は通れないわけだと納得。
14:00着。入浴後14:45帰途につく。行きに寄った道の駅で土産購入。
往路と同じルートで走り、たいした渋滞もなく21:30頃静岡駅南口着。
今回の山行は、早朝4時台からの歩き始め、雨と雷の中の12時間歩行
など、数多い我がクラブの山行の中でも記憶に残るものとなるでしょう。
難しい判断を迫られるなか、終始冷静に対応・リードしてくれたリー
ダーを讃えるとともに深く感謝します。
(熊谷記)