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2013年 10月 第139回山行記録
岩手山・八幡平・栗駒山・姫神山
実施日:平成25年10月11日(金)夜立ち~14(月)参加者:16名 男性:11名 女性:5名 担当リーダー:杉浦 サブ:大川(佳) レポート:佐藤
東北の名山四座踏破をと銘打っての山行。100名山2座、200名山2座と中身が濃い。東北の 山々は北や南アルプスの3000メートル級の山々と比べると派手さには引けを取るものの奥行 きの深さを感ずる。民話のふるさと、賢治、啄木の故郷の山として私の心にいつもある種の原 風景、憧憬の山々となっていた。 11日(金) 21:00 静岡出発。古い予定表の22:00出発を頑なに守った人を途中でピック アップして無事に新東名、北へ向っての長距離ドライブ。大型バス、一人2座席で何とか仮眠、 何箇所かのPAで休憩を取りながら、都内を経て東北自動車道を往く。 夜明け近く左手に岩手山が山頂部に雲を置いて現われる。東の空が明るみ不気味なくらいに 真っ赤な太陽が上がって来る。ポツリポツリ、バスのワイパーが動き出す。松尾八幡平IC、ア スピーテラインと進むとガスが辺りを覆い始める。しっとりと木々が濡れ、紅葉は遅れている のか、落葉の葉も色付いてはいない。 12日(土) 今回一番目の山、八幡平への登山口見返峠Pは濃い霧の中。錦織なす八幡平高原 のトレッキングを夢見て辿り着いたものの、七月の雨乞岳のご利益?今回も雨具をつけてのス タート。ガスと小雨、見通しの悪い中、八幡平最高地点1613mを目指す。石畳の遊歩道、両 側は丈の低いダケカンバとハイマツ。ガスの切れ間に見える当たりの風景は紅葉の艶やかさに は欠けるが幻想的。霧のガマ沼はさざ波もなく鎮まっている。 八幡平頂上はオオシラビソに囲まれた雨とガス。八幡池めぐりを諦めて、復路は道をかえて 下山。幾つかの小さな沼はいずれも濃い霧に包まれて密やか、ナナカマドの真っ赤に熟れた実 と好対照。早々にバスに乗車、次の山、姫神山を目指す。 姫神山は北上川をはさんで対峙する岩手山が男山と云われるのに対して女山とも言われるら しい。低山ながらゆったりと裾を広げた端整な姿は北上山地でもひときわ目を惹く山だ。 一本杉登山口から山頂を目指す。雨は上がったようだが冷えてきた、雨具を着けて針葉樹林 の登山道を行く。見通しのない暗い道、ちょっと開けた場所に大きな杉の木が一本、地名の由 来となった巨木だ。やがて長い急な階段が続く。5,6,7合目と見晴らしのない急な登りが続く。 やがて道は二又に、右の岩の道を行く、左は土の道とある。ようやく視界が開けてくる。累々 と積み重なる巨岩。岩間に挟まったり、滑ったりと歩き難い。 吹きさらしの姫神山頂上には石の祠、姫神大権現が祭られている。雲が広がっているが一部 に青空。広がる平野部の彼方に山頂部を雲に隠して奥羽山脈や北上の峰々が波打つように連な っている。明日登る岩手山はわずかに片富士と言われる稜線を見せて山頂部は雲の中だ。 記念撮影、岩間に風を避けて昼食。下山は土の道。急な濡れた登山路を暫く下ると岩の道と の分岐点。往路をそのまま下る。一本杉登山口からは姫神山の嫋な山容が青空に映えていた。 今宵の宿、綱張温泉国民休暇村へ。温泉とバイキング料理で英気を養う。 「行程:11日21:00 静岡発 阿武隈 12日2:25 前澤 5:40 松尾八幡平IC 7:15 見返峠P 8:00 八幡平山頂 8:20 見返峠P9:15 一本杉登山口 10:35 5合目 11:20 8合目 12:00 姫上山 12:50/13:10 8合目 13:40 5合目 14:05 登山口 14:40 綱張温泉 16:10」 |
雨とガスの八幡平頂上。 |
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13日(日) 「ふるさとの山に向かいて言ふことなしふるさとの山はありがたきかな」啄木の 心の山、岩手山へ。夜半に強い雨音がしていたが雨は上がっている。未だ暗い時間に馬返し登山 口へ。南部富士とも称される堂々たる岩手山の頂上付近が雪で白い。駐車場は車がいっぱい、身 支度をして陽の射す広場から登山路へ。 鬼又清水で口を拭い、落葉広葉樹林の登山路を歩く。葉が青いまま散っていたりして紅葉はイ マイチ。陽が射しているのに雨がぱらぱら。ときおり風が木々を揺らす。0.5合目の道標あたり で雨が強くなり雨具を装着。厚く積み重なった落ち葉の登山道は歩き難い。若い登山客が元気に 我々を追い抜いていく。時々風が大きな音を立てて木々を揺らす。新旧の登山路があり、我々は 新道を登る。道標の合目が大きくなるのが楽しみながら次の合目には中々に至らない。 急なミズナラ、ブナの登山路は眺望も無く時に火山の砂礫となり歩き難い。5合目を過ぎる辺 りからガスが濃くなり、風も更に強くなる。6合目辺りから雪が現われる。樹林帯を抜けるもガ スの為視界は悪い。風が強くなり気温も下がってきたのだろう、指先が冷たくかじかむ。登山路 の昇りが弛むと七合目、雪が更に多く積もっている。風は強い。ハイマツ帯を登って漸く八合目 の避難小屋。 広がる火口原は雪に覆われ、烈風が吹きすさぶ。堪らずに避難小屋に退避。大勢の避難の登山 客に交じって漸く落ち着くも戦意は喪失。登頂を諦める。他の殆どの登山客もここから引き返す ようだ。軽食を摂って早々に下山。七合目まで下ると皮肉にもガスが上がり、岩手山々頂が姿を 見せるが、厚い雲が物凄いスピードで走っている。雲の走り去った瞬間を狙って盛んにシャッタ ーを切る。荒天を厭わずに大勢の登山客が登ってくる。地元の人だろう若い人達が軽装で登って くるが大丈夫だろうか。高度を下げるに従い天候が穏やかに成ってくる。4合目近く開けた場所 でゆっくりと眺望を楽しみながら休憩。 気になるのか下山者に頂上に上ったかと盛んに聞いて廻る仲間がいる。殆どの人が諦めたよう だが、中に一人身を屈めて烈風を避ける仕草で果敢な登頂を語る人が居た。見れば彼の頭頂部が 綺麗に禿げている、きっと強風に髪の毛が飛ばされたのだろうと失礼ながら勝手に想像する。 眼下に東北の林野が広がり山々が遠く連なっている。ゆっくりと馬返し登山口へ下り、コンビ ニで飲食物を仕入れ、滝沢ICより東北自動車道を南下、若柳金成IC、駒の湯温泉ハイルザーム栗 駒に向う。ゆったりと入浴、会席膳「初霜月の頃」に舌鼓、昨日の女山の嫉妬か?大荒れの岩手 山での敗退のキズを癒す。 「行程:5:20 馬帰し登山口 6:05 0.五合目 8:10 五合目 9:40・10:20 八合目避難小屋 11:20 五合目 12:55 二.五合目 14:15・14:40 馬帰し登山口 15:05 滝沢IC 17:20 駒の湯温泉 ハイルザーム栗駒」 |
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岩手山8合目。皆さん雨具が馴染んでいる。 | ||||||||||
14日(月) 栗駒山へ。雲ひとつない快晴、無風。晴れ晴れとした気分で弁当を受け取り登山口へ。 イワカガミ平の駐車場は既にいっぱいの車、多くの登山客が列をなして歩いている。Yさんが見知ら ぬ女性と親しげに話している。聞けば宮城出身Yさんの同級生が会いに来てくれたとのこと。傍から 見ていても楽しげな風景。 東栗駒ルートを登る。あんなにいっぱい居た登山客が全く居ない。殆どが中央ルートを登るよう だ。歩き出して、直ぐに合点、物凄い悪路、泥と水溜り、尾根ともいえない平坦な笹原の沢筋に悪 戦苦闘。泥だらけになって漸く新湯沢の渡渉点に至る。乾いた岩肌が懐かしく暫く休憩。 岩の沢筋を暫く登るとハイマツの登山路へ出るが相変わらず道は泥濘、だが次第に視界が開け素 晴らしい光景が広がってくる。控えめな錦繍、草紅葉に彩られた栗駒山が青空を背にしてその名に 相応しい山容を楽しませてくれる。東栗駒山から山頂に続く登山路にはカラフルな登山客の列が遠 く小さく連なっている。 景色を楽しみながら快適な歩きは続く。頂上近くになると登り下りの登山客が輻輳。地元の人た ちはタウンシューズと軽装だ、幼い子供を連れた家族連れの姿も多く見られる。カメラマンも多い。 山頂は360度の眺望、月山、蔵王、鳥海山が見えている筈だ。譲り合って記念撮影。満員の山頂 を早々に下る。下山路は秋色の栗駒の眺望を楽しみながら歩きやすい中央ルートを下る。老若男女 の登山客が賑々しく登り下りしてくる。 イワカガミ平にはYさんの同級生が待っていてくれ、全員にビール、コーヒー、おつまみの差し 入れ、大感激!。持つべきは良き友を実感。交通渋滞を避けるべく早めに東北道に入るも事故があ ったとかで渋滞。結局東北道では殆ど渋滞、都内、東名は順調であったが静岡着が夜中になりそう と。終電に間に合わないので清水駅で下車させて頂く。岩手山は残念でしたが全員無事に東北の三 名山を楽しませて頂いた。有難うございました。 「行程:6:45 イワカガミ平 8:00 新湯沢渡渉点 8:45 東栗駒山 9:50 栗駒山々頂 11:25 イワカガミ平 12:55 若柳金成IC 20;30 浦和 23:00 清水IC」「s」 | ||||||||||
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