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2013年 4月 第128回山行記録
岩岳山「岩嶽山」 (標高1369.3m)
実施日:平成25年4月27日(土)
天候:晴れ
参加者:23名 男性:10名 女性:13名
リーダー:山我 サブリーダー:下村(弟) レポート:佐藤 「アカヤシオ」の「岩岳山」は私にとってはどうも特別の山のようだ。退職後、自然体験学習指導員の研修を受け、小中高生を対象としたキャンプのボランテア活動をしていた。仲間に飲兵衛だが明るい誠実な山男がいた。子供達とキャンプファイヤー、急流遊びをしながら、山の話を聞いては次第に惹かれ、いつしか山行きをしつこくお願いしていた。最初に連れて行かれた山が岩岳山であった。彼はどうも私に山を諦めさせる為にルートを選んだようだ。山犬段、高塚山、京丸山、岩岳山、竜馬ケ岳、高塚山、山犬段のルートで当時深南部の秘境と言われていたらしい。何も知らない私はザックに携帯食料、子供の夏用寝袋、ビニールの合羽にタウンブーツでのこのこと付いて行きました。山犬段で一泊、高塚山までは順調でした。京丸山に向かった途端に背丈以上の薮。道は無い、偶に薮の踏まれた道に出てほっとすると、それは獣道、地形図と磁石を出して、また藪の中へ。その中に雨が降り出し、全身ずぶずぶ。鹿の死体が2箇所で転がっていた。山崩れの所では狸の死骸が。京丸山頂を極め、何とか無人の藤原家へ。本降りの中藤原家の庭を借りて野営。 翌日は濃霧、危険な崖を下り、京丸川の渡渉地点を捜す。昨日と同じような薮漕ぎを続けて、漸く岩岳山への荷小屋峠。岩岳山山頂への急な登りは10歩と続けて歩けない。濃霧が強風に飛ばされて淡いピンクの満開のアカヤシオが幻想的な美しさを見せるが楽しむ余裕は無い。それでも人に踏まれた登山道はありがたい、岩岳山、岩岳神社を経て竜馬ケ岳へ。またも踏み後が無くなり、濡れた岩稜の上り下りと背丈を越える薮漕ぎ、身体全体が痛むが留まると寒いので無理して歩く。死ぬ思いで山犬段の小屋に辿り着き、ほぼ放心状態で帰宅する。這いずって風呂場に行き泥だらけの衣服を脱ぐとまん丸と膨れたヤマヒルが四個ポロリと落ちてあたりは血だらけ。これで懲りたはずが3日目には痛む身体を騙して山道具を買いに行っていた。思い出すのも辛い山行きであったが「アカヤシオ」の時期が来ると、幻想的な霧の中の薄ピンクの群落を想い、あの苦労も忘れてその後二回も登ったが二度とも思わぬ辛い登山となってしまった。どうもトラウマの山となってしまったようだ。 |
アカヤシオに染まる |
集合時間を勘違いのSさんを拾ってバスは新静岡ICから森.掛川IC、森町経由で春野町へ。先回春の嵐で中止、今日は久々の好天、新しい仲間Iさんの初参加と車内は何となく浮かれている。狭い道路を譲り合って登山口へ。川越しに話題の地滑りが大きく傷口を広げている。TVの撮影クルーの姿も見える。8:40登山口P。 アカヤシオの最盛期、登山者の車でいっぱい。軽い体操、新人紹介、山も強そうだし飲ける口のようだ。林道を歩き出す。天気は快晴、新緑が瑞々しい、ミツバツツジがちらほら、山桜が風に揺れ、ホホジロが梢で囀っている。9:45 小股事務所跡。林道を行くとすぐに大きく抉れて大型ブルで工事中。足場の悪い側道を下り、古い木橋を渡ると登山道。きつい登りだ。杉の植林地だが道は荒れている。この山は来るたびに何処かが崩れて道が付け替わっている。急な登りが続き、息が切れ足が止まる。ヤマガラ、ミソサザイが鳴いている。最後の水場を過ぎると道はさらにきつく荒れてくるようだ。11:20 荷小屋峠。猛烈な風、寒い、ヤッケを重ねる。明るいカラマツ林越えに京丸山が鎮まっている。強風の岩尾根道を這い登る。風に煽られてアカヤシオの淡い朱色が艶かしい。12:15 岩岳神社。風を避けて昼食。12:40 山頂への登山路は上り下りが激しく荒々しい、風は強いが陽に映えるアカヤシオは素晴らしい。 |
荒れた登りが続く |
3時間半でようやく登頂、岩岳山山頂にて | ||
13:00 岩岳山々頂。記念撮影を済まして早々に下山。垣間見る深南部の峰々が重畳と横たわっている。恐ろしいような急な下りが続く。順調だった脚に異変、膝の裏側が痛みだす。古傷の再発か。我慢して下ると腰にも痛みが走る。昨年の痛みを思い出し恐怖心が過ぎる。14:50 入手山々頂。厳しく辛い急な下りが続く。もう限界かと観念すると漸く水道タンク 15:40 やれやれだ。16:00駐車場。身体全体に疲労感、整理体操もそこそこにバスに乗り込む。夕日に不気味に照らされた杉部落の山崩れを後にして一路静岡駅へ。コンビニ、新東名を経て18:50.無事静岡駅着、解散。 厳しいルートにも拘らず23名のメンバー全員無事時間通りに下山できました、リーダーのお二人有難うございました。岩岳山は今回もやはり厳しかった。原体験の辛い記憶が未だに消えないのだろうか。「s」 |
入手山にて
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