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2012年 5月 第111回山行記録
五老峰~毛無山 夏山シーズンを前に、道なき道の縦走トレーニング
実施日:平成24年5月13日(日) 天候:晴れのち曇り マップはこちら
参加者:14名 男性:11 名 女性:3名
平成21年11月に同じ計画で実施されましたが途中下山となったため、今回はリベンジ山行となります。自分は前回も参加しているが、計画書では健脚向き(三ッ星ランク)となっているうえ、暫く長歩きから遠ざかっていたので少し不安もありました。 午前6時静岡駅南口へ全員集合、小型バスで予定通り出発。(皆さん脚に自信のありそうな方です。)東名清水ICから東名へ~4月に開通した新東名清水JCT~新清水IC経由で国道52号へ(この間10分程度で、かなりの時間短縮)。 今朝は少し肌寒く雲も多かったが、予報どおり晴天となってきて富士山が秀麗な姿を見せている。また、国道52号とみさわ道の駅を越すと、これから行く毛無山塊が文字通り蝙蝠が羽根を広げたように見えてきたため、バスを停車しリーダーが車内説明。 |
52号線より望む本日の縦走路。山容がよく判る。 |
下部温泉に入り新緑の山々がせまる中、バスは狭い急坂を慎重に登って7時36分、湯之奥登山口着。準備体操のあとKリーダーから今日の行程について、北アルプスの上高地から槍ヶ岳までの標高差を上り下りすると説明があり全員気を引き締める。でもコースは下見をして下さっているというSリーダーの説明もあり、安心してついて行けます。 (途中から下る人が出た場合の目印用黄ひもも用意してあるという話もあり、気配りに頭が下がります。でも使われないことを祈ります。) 7:50 Sリーダーを先頭に出発。落ち葉を踏みしめ黙々と歩き始める。周りは雑木林で清々しいがゴロゴロとした石が出始め、山名の由来という声。杉林に変わり道も次第に怪しくなってきたところで例会で勉強したばかりの「山住みの人」の跡という声も。快晴で気温14~5℃、歩くのには気持ちが良い。しかし先は長い。恩賜林であったことを示す石や杭への標示が出始め、炭材用に中途伐採されたナラの木も見かけられた。 |
登り口に鎮座する願掛け地蔵。今日の安全を祈願し出発。 | 綺麗に手の入った杉林を登る。 |
登り始めて僅かで西に南アルプスを望む | |
| 恩賜林を示す赤い印 | 「山住み」炭焼きの跡か。中は3畳程、思ったより広い。 |
9:20 標高約1200m地点に達し休憩(1時間半で600m上り)。“メンバーに恵まれて順調”との声も聞こえる。しかし踏跡は少し前からいよいよ不明となってきている。 炭焼き跡とみられる穴のある石積が現れ、全員で写真撮影。その後、尾根近くの急登となるが足元が落ち葉で踏ん張りが利かず苦労。9:50 1350m付近の尾根に出ると雪を頂いた南アルプス(荒川三山などか)が素晴らしい眺めである。暫し休憩後、五老峰山頂に向け出発。間もなく今回の最も難所である1500m付近の“道なき急登”にかかり、各人が急傾斜の斜面と苦闘しながら、めいめいのコース取りで登る。 10:50 五老峰(1618.8m)頂上着。ここまで丁度3時間で、リーダーによると前回(平成21年)登山と同じペースとのこと。頂上は林となっており眺望はきかないが、晴天で気温19℃くらい、風もなく絶好の日和となっている。20分間で昼食後、11:12蝙蝠山に向け出発。 |
倒木の間を登る | 五老峰山頂 |
無惨な木立、犯人は鹿か? | 急登は続く |
左手に木々の間から南アルプスを望みながらの尾根道であるが、小枝を払いながらの上り下りは苦労する。頂上まで200m地点での休憩後、脚が痙攣した方をベテランの方々が薬で手当てしたりザックを持ったりと支援。我がクラブのメンバーは皆あたたかい。やがて1800m付近の「大ガレ」に到達。ものすごい崖に皆おどろきの声。谷川筋がはるか下方に見える。 12:59 蝙蝠山(1904m)頂上着、「大ガレの頭」の標示板あり。10分休憩後 毛無山に向け出発。気温が上がり疲れっぽい中、100mの急な下りと150mの上りの後、13:54 毛無山(1945.5m峰)頂上着。今我々が上って来た道はすぐ振り返ってもわからないくらいであり、ここまでは他の登山者と一人も会わなかったが、ここには他の若い登山者も何組か。わりあい人気の山のようだ。山頂は開けているが富士山方向はガスにより眺望なし。間もなくガスは頂上にも立ち込めてきた。休憩、集合写真撮影後14:19下山開始。 |
崩壊が続く大ガレ | ずいぶん侘しい大ガレの山頂表示(別名蝙蝠山) |
毛無山頂直下の薮こぎ | 毛無山頂にて全員集合 |
下山は富士宮市側の麓へ下りる予定であるが、下山路についてはリーダーから意向を問われた2ルートのうち、膝への負担が少ないという地蔵峠を経るコースを選ぶ。“山の天気は変わりやすい”を実感させるように周りのガスは濃くなり気温も下がって衣服を1枚着るほど肌寒いが、尾根道はハイキングコースのように歩きやすい。 15:13 地蔵峠着。右に下れば出発点、湯之奥への長いコースであるが、左(南東)に折れて麓へ下る道へ入る。2万5千の地形図には表示されていないが、下方は金山沢という(らしい)沢沿いに下る明確な道である。周りは雑木林で気持ち良く大きな段差も少ないが、石がゴロゴロと多く歩きにくい。1330m付近には「金鉱石を焼いたかま」跡(沢名の由来か)、1000m付近では「比丘尼(びくに)の滝」を見て16:45 麓の駐車場で待つバスへようやく到着。帰りの下り道はいつも長く感じるものであるが今回も口々に“長かった”“腰にきている”“すごく疲れた”の感想。 今回9時間近くの歩行となりましたが、それだけ達成感も大きいものであったと思います。 また、リーダーお二人の入念な準備と的確な誘導で難しいルートにも拘らず、全員けがもなくスムーズな山行ができたことに深く感謝いたします。 17:00 最初のコンビニで飲み物等仕入れ帰途に。車内はいつになく穏やかなうちに東名富士川SAで休憩後、18:55静岡駅南口着。参加の皆様お疲れ様でした。 (K) |